2014年10月15日水曜日

城について



城について

何故わたしは城の写真を見る事に全く飽きることがないのだろう。

今わたしが、ここ最近、開かずとも眺める城の写真を掲げることにしよう。


最初の城は、高い山の山上にある。山上にあるだけではなく、巌と一体となって、その中から生えているような城である。このような城に、わたしは限りない愛着を覚える。それは、何故であろうか。





また、次の城は、海に接していて、断崖絶壁の、ぎりぎりの場所に立つ城である。このような城にも、わたしは愛着を覚え、眺めて飽きることがない。これは、何故であろうか。




最近、安部公房の好きだったリルケの詩のひとつ『涙の壷』について考えていて、この詩人が『ドゥイーノの悲歌』の最初の詩行を霊感によって授かった場所が、やはり海に望む断崖絶壁であり、更に加えて、そこに城が立っていて、その城の庭の中で、そのことが起こったということに、実は深い意味があるのではないかと思った。

わたしたちは、このような場所に、実は、立っているのではないか?




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